利用者にうれしい価格競争 2005年冬の陣
海外ケータイ生活者にとってうれしいニュースです。2005年秋からマレーシアのプリペイド方式携帯電話のSIMカード初期購入料金が下落傾向にありましたが、年末商戦で一気に加速されました。
筆者も使っているDIGI(デジ社)は、ついに行くところまでいっちゃったな~って感じです。その価格、ナント255円。オマケにキチンと使えばボーナスが入る仕組みでほぼ3倍の通話料金がセットされています。
255円のSIMカードを買えば750円の通話料が手に入るのです。つい先日まで9.90リンギットで販売されていましたが、ライバルのマキシス社が値下げで対抗してきたので価格破壊のとどめを刺すため8.50リンギットまで値段を下げちゃったのです。(大歓迎♪)
マレーシアではマキシス社のケータイ回線が一番ステータスの高いブランド力を持っています。できるビジネスマン、シティライフを謳歌するOLさんの大多数はこのマキシス社の回線ホルダーなのです。確かに、回線は他社に比較して安定しているし、オペレーションソフトの付加サービスも豊富です。つまり名実共に高品質なブランドなのです。
しかし、激安価格で勢力を伸ばしてきたDIGI社の隆盛にストップをかけるため、これまで20リンギットで販売してきた初期SIMカードを一気に値下げ8.80リンギ(264円)の格安パックを市場に投入しました。期間限定ということでしたが、8.50リンギと再値下げで対抗してきたDIGI社ににらみをきかせるためしばらく激安パックの販売を続けるようです。
驚異的な値下げ、価格破壊で勢力を伸ばしているDIGI社とマキシス社の隆盛を静観しているセルコム社はこの値下げ競争に参加していません。セルコム社はマレーシアで最初に移動体通信(ケータイ)サービスを開始した本家老舗。
親会社はTM社(テレコムマレーシア)。日本でたとえるならNTT(日本電信電話会社)。NTTの携帯部門はドコモさんが担なっているように、テレコムマレーシア社の携帯回線はセルコム社が受け継いでいます。言い方を変えれば「親方日の丸」的な体質があるためか?急激な市場変化に即対応する臨機応変がないような感じです。いまだに20リンギットで販売しています。
DIGI社、マキシス社の2つのプリペイド方式携帯回線会社は収益性の高い都市部中心に狙いを絞り基地局を設置していますが、セルコム社はマレーシア全土に回線を安定して供給する立場にあるため利用者の少ない山間部や、地方都市への基地局へ設備投資しなければならないため、目先の利用者獲得のため値下げに踏み切ることができないのかもしれません。
筆者も、ちょっとしたジャングルに入ってしまうとDIGI社もマキシス社も電波が届かない場所でもセルコム社の回線だけはチャンと通じるのを何度も体験しています。利用者にとって競争による価格破壊は大歓迎なのですが、公共性を考え地道な基地局のメンテナンスにチカラを入れるセルコム社の企業姿勢を高く評価したいと思います。
でも、筆者は最安値で使いやすいDIGI社のユーザーなんです・・・(^^;)
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