南洋スイーツに欠かせない椰子の黒糖、グラマラッカ
- マレー語で Gula Melaka と綴り「グラマラッカ」と呼ばれている黒砂糖を紹介しましょう。天然素材の黒砂糖といえばさとうきびが原料だと想像しがちですが、グラマラッカは椰子(ココナッツ)の樹液を原料にして作られた「椰子黒糖」なのです。英語では Coconut Palm sugar (ココナッツ パーム シュガー)と訳せます。
- 精製した白い砂糖の甘さとは比較にならない、ミネラルと旨味を含んだグラマラッカはプラナカンスイーツの代表格アイスチェンドル(かき氷)やオンデオンデ(椰子黒糖蜜をパンダン餅にくるんだ菓子)、そしてカヤジャム作りに欠かせない甘味料です。
- 椰子の樹から直接樹液を採取し、鍋でじっくり火を通し水分を乾燥させた黒糖蜜を竹の筒に入れて冷やして固形化させて作っていました。現在では竹筒の代わりに金属製の型に流し込んで固形化させているんですが、昔と同じ円筒形に仕上げています。
- グラマラッカを料理に使うときには、ダイコンおろしを作る金属製のおろし金みたいなもので使う分量だけ摺り下ろして利用します。かき氷のシロップにするにはおろし金で削って、鍋でお湯に溶かして黒糖蜜に戻して冷やしてから使います。
- 筆者の経験ですがみかんジャム作りに使ったことがあるんですが、黒糖独特の香りが強いためみかんのシトラスフレーバーと競合してしまい失敗したことがあります。素材の香りを活かすスイーツ作りには使えませんが、和食の味付けでは肉じゃが、きんぴら、鯖の味噌煮、ぶり大根、豚の角煮とか照り焼きのタレなら応用できますぞ。
- グラマラッカは食品スーパーとか、土産物店でビニール袋に入れて上から吊して(アリさん除けのため)売ってます。かさばらないし、常温保存で日持ちもするので料理好きの方へのおみやげにいかがでしょうか?
マラッカ中央卸売市場にて